●川場移動教室 「雨乞い山ハイキングコース」の放射線量を測定しました

 2014年5月28日、世田谷区議会議員の風間ゆたか氏に同行して、川場移動教室のハイキングコースの放射線量を測定しました。

 向かったのは「雨乞い山ハイキングコース」。「なかのビレジ」に宿泊する学校のおよそ8割、児童数にしておよそ2000人が毎年、自然体験授業の一環としてこのコースを登っています。

※測定器は世田谷区が使用しているものと同じ富士電機のシンチレーションサーベイメータNHC7
※測定器は世田谷区が使用しているものと同じ富士電機のシンチレーションサーベイメータNHC7
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●放射線量 測定レポート


↑➊登山道の入り口に向かう途中、ちょうど天狗山公園向かいの道路脇。測定器が突然、高い線量を示しました。高さ1mで0.486~0.570μSv/h地表付近で1.124μSv/h。放射性物質が局所的に濃縮される「マイクロホットスポット」です。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

←➋登山道に入るとほぼ平らな道が30分間続きます。この間、線量計が高さ1mで0.25μSv/hを下回ることはほとんどありませんでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

➋~➌沢の付近の線量は0.1μSv/h台と周辺より低め。水が流れる場所では、放射性物質は滞留することなく、下流に流されていくとのことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに進むと線量計が反応。道の片側に積み上げられた杉の丸太が線源なのでしょうか。線量計を近づけると0.48μSv/hと、高い数値が計測されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

勾配がだんだんときつくなり、登山さながらの斜面が続きます。線量は高さ1mで0.3μSv/h以上。数時間とはいえ、幼い子どもたちに呼吸運動をさせるにふさわしい数値なのか…。そんな疑問が頭をよぎります。
   

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間かけてようやく登頂。山頂から見下ろす川場村は、水田が太陽の光を受けて一面、輝いていました。空間線量は0.097~0.120μSv/hとこれまでで最も低く、一同、絶景を前にホッと一休み。

 

 

 

下り道では、線量は比較的落ち着いているかのように見えました。しかし、トイレの休憩場所で再び上昇。高さ1mで0.247~0.339μSv/h。2つ目のトイレの場所でも0.193~0.279μSv/h。汚染が比較的少ない下り斜面であっても、平らな地形では、どうしても放射性物質が滞留してしまうようです。

●土壌におけるセシウム濃度

「雨乞い山ハイキングコース」の4か所で土壌を採取、放射性物質の濃度を測定しました。
(世田谷区の土壌の測定値:100~500Bq/kg)

土壌採取場所

5月28日採取                                

検体

Cs134

(Bq/kg)    

Cs137

(Bq/kg)

Cs合計

(Bq/kg)

採取場所

 491.5±19.2     

 1335±32 

1826.5

採取場所

落葉

 153.8±21.9

 434.3±35

588.1

採取場所

 499.6±16.6

1376±28

1875.6

採取場所

470.0±15.3

1278±26

1748.0

採取場所

366.3±14.2

990.3±23.7

1356.6

採取日:2014年5月28日   測定日:2014年5月29日

測定器:ゲルマニウム半導体検出器 PGT社 IGC16200SD 相対効率17%

測 定:CRMSせたがや・市民放射能測定所

●「雨乞い山ハイキングコース」の測定を終えて

 測定の結果、雨乞い山ハイキングコースには 0.23μSv/hを超えるポイントが数多く存在し、中には高線量の「マイクロホットスポット」があることも確認されました。また、土壌汚染は世田谷区のおよそ3倍~18倍に達し、山全体が汚染されていることが分かりました。

 

 一方、川場移動教室の実施に当たり、世田谷区教育委員会が保護者に配布している資料には、入口と出口、計2か所の記載しかなく、そのうち入口は、雪の上から測定したにすぎません。ほとんどの保護者が正確な情報を得ず、ましてや川場村が「汚染状況重点調査地域」として苦しんでいることも知らされず、子どもたちを汚染された山に送り出しているのが実情です。

 

 そもそも川場移動教室について世田谷区の公式な立場は「不安な場合は、参加・不参加は各家庭の判断で」「放射能を理由に不参加を選んでも児童は不利益を被らない」としています。しかし、ほとんどの学校では、全員が参加すべき行事として説明され、その結果、学校と家庭との狭間で苦しむ児童が毎年、後を絶ちません。

 

 さらに、最近では、放射能への不安が拡大することを防ぐため、欠席の理由を「体調不良」と言わされるケースが相次いでいます。子どもを二重に傷つけるばかりでなく、放射能の問題から子どもたちの目を逸らせようとする学校の姿勢には、疑問を抱かざるを得ません。

 

 


 

―世田谷区と川場村の 子どもの「被ばくを避ける権利」を求めて―

 

 「世田谷こども守る会」では、世田谷区と川場村、どちらの子どもにも「被ばくを避ける権利」があると考えます。一人ひとりの子どもの「被ばくを避ける権利」が認められ保障されるよう、区教育委員会に対して以下のことを求めます。

各家庭が十分な情報を提供され、川場移動教室への参加・不参加、ハイキングへの参加・   

 不参加について選択権が与えられることを求めます。具体的には、以下の5点を、教育委

 員会からの配布プリントに明記することを求めます。
  ⅰより丁寧で実態に即した線量の数値
  ⅱ
川場村が汚染状況重点調査地域であること
  ⅲ不安がある場合、
参加・不参加の判断は各家庭に任されること

  ⅳ放射能を理由に不参加を選んでも児童が不利益を被らないこと

  ⅵ参加・不参加の意思確認
  
②3日間のプログラムについての決定権を有する学校長と、引率に当たる教職員・補助員

 が、川場村の汚染の実態を把握し、児童の被ばくを最小限に抑えるための知識を身に付け

 ると同時に、児童に対して適切な指導を行うことを求めます。具体的には、

  ⅰ学校長、および教職員を対象に、川場村の汚染状況、ならびに放射能の危険性と被ば

   くばくを避ける方法について学学習会を開催すること、

  ⅱ児童を対象に、放射能の危険性と被ばくを避けるための行動を学ぶ授業を開催するこ

   と

 

世田谷区との交流の陰で被ばくを強いられている川場村の子どもたちの健康問題に配慮

 し、集団検診や保養プロジェクトの実現に向けて、支援を行うことを求めます。

 

「世田谷こども守る会」では、以上の点について今後、教育委員会に積極的に働きかけ、区民の立場からできることを考えて参ります。ご意見・ご要望は、こちらからお寄せください。